成績に残らない部分も魅力 守備の妙技

ボールを握る

打撃の結果は記録しやすく、それでいて打てば球場全体が盛り上がるとあって注目は強打者に向いてしまいますが、プロ野球には守備が魅力の選手も沢山います。成績を付け辛く、エラーなのか強襲ヒットなのか分からない打球もあってスコアラーの裁量次第で成績が決まる面もある不安定な評価項目ですが、その中でも美技あるいは妙技と呼べる技術があります。

まず、守備の魅力として真っ先に挙げられるのが守備範囲の広さです。本来、取れないようなボールに飛びついてアウトにする技術は唸らずにはいられません。現役選手であれば内野では広島カープの菊池涼介選手、外野では読売ジャイアンツに移籍した丸佳浩選手でしょう。打者の特性、投手のボール、風などを総合的に判断して守備の場所を徐々に変えているのがわかるはずです。スタジアムに実際に足を運べば、上手い選手が守った裏で守備につく相手チームの選手に物足りなさを感じてしまうこともあるのではないでしょうか。

美技ばかりが守備の技術ではありません。荒々しい妙技も守備の場面では見られます。それがベアハンド、というテクニックでクマの手のようにグラブを付けていない手で打球を捌いてアウトにする技術です。打球をグラブをつけた手で捌きに行けば間に合わない場面に見られるプレーですが、硬いボールを恐れず捌きに行く度胸とテクニックには思わず感嘆の息が漏れます。千葉ロッテマリーンズに移籍したレアード内野手がたまに行っていたプレーですが、頑丈であり守備も上手いことの証左とあって荒々しくも美しいプレーであると言えます。